第一印象は、人間関係のはじめの一歩と言っていいほど重要なポイントで、ここでつまずいてしまうと何も始まらないし、はじめから受け入れてもらえない問題が起きてしまいます。
私を含め、多くの人にとって悩みの種でもある人間関係を円滑にスタートさせるためにも、第一印象を高めて、得する人生を手に入れましょう。
1、第一印象は見た目が大切
長所は必ず先に見せること
3つ目の『好感を与える話し方』の中でも詳しく紹介していますが、話す内容は長所が先、さらに、話よりも先に目につく、服装や体型なども第一印象に大きな影響を与えます。
服装は第一印象で一番重要と言われていて、清潔感や適度なお洒落(奇抜なお洒落はNG)、さらには、TPO(時・場所・場合)にあった服装を選ぶ必要があります。
ネクタイやスーツは後光効果(ハロー効果ともいう)といって、身に付けているだけで、その人に好感度や信頼度を高める効果があります。
ですが、遊びに行く時にスーツで来たらどう思うでしょう。
この人チョット…と言葉を失ってしまうのではないでしょうか?
別に過度なお洒落が必要なわけではなく、清潔感があって、さわやかな印象を与えるオシャレができれば十分です。
第一印象といえば、アメリカの心理学者/アルバート・メラビアンが提唱した『メラビアンの法則』が有名ですが、その中で人間の第一印象は、はじめてあった3~5秒で感じ取られるというものです。
- 『視覚情報(見た目・表情・しぐさ・視線)』…55%
- 『聴覚情報(声の質・速さ・大きさ・口調)』…38%
- 『言語情報(話す言葉の内容)』…7%
人は見た目が非常に大切であることが分かっていただけるのではないでしょうか。
でも、これは日常的に起きる不確定要素を取り入れていない実験結果であることから、全てを鵜呑みにして、『話す内容なんて大して重要ではないんだ』なんて勘違いをしないようにしましょう。
好意・反感などの態度や感情のコミュニケーションを扱う実験から生み出されたものであり、話者が好意や反感について語っていないときは、これらの等式はあてはまらないと言明している。
あくまでも、第一印象であり、その後の振る舞いや話す内容に問題があれば、その後の人間関係に破綻をきたしてしまいますので注意が必要です。
先に好印象を見せることで短所が目立たなくなる
たとえあなたに、人には言いにくい欠点がいくつかあったとしても、先に長所をアピールして好印象を与えてしまえば、欠点がバレてもそれほど問題にならずに済みます。
メラビアンの法則や後光効果がうまく機能しているからです。
2、雰囲気で相手の心をつかむ
なにげに相手のマネをする
相手のマネをすることで、好意を感じさせることをミラーリングやモデリングなんて言われたりもする方法ですが、相手の行動をさり気なくマネたり、相手の話に同意することで、親しい関係として好意を持ってもらえます。
ここで大切なポイントは、あくまでもさり気なくやるということです。
あまりあからさまに行うと、『こいつは私を馬鹿にしてるのか』と思われてしまっては大変です。
あくまでもさり気なくということを忘れてはいけません。
相手があなたに好感を持つ姿勢とは?
相手が話をしている時にしっかりとカラダを相手に向けて、気持ち前かがみ位のほうが好印象を持ってもらえます。
さらに、うなずきと相づちも忘れずに行うようにしてください。
逆に絶対に避けたい姿勢は、腕を組んだり、脚を組んだりといった姿勢です。
相手に拒絶感や偉そうな印象を与えてしまうので、第一印象を良いものにしたければ、絶対に避けたい姿勢です。
人間距離で心地良い雰囲気作り
人には人間距離と言われる人との距離間があり、
密接距離(冗談を言い合える仲)
- 近接相(0~15センチ)
- 遠方相(15~45センチ)
個体距離(幼なじみ)
- 近接相(45~75センチ)
- 遠方相(75~120センチ)
社会距離(初対面)
- 近接相(1.2~2.1メートル)
- 遠方相(2.1~3.6メートル)
公衆距離(関係のない人)
- 近接相(3.5~7.5メートル)
- 遠方相(7.5メートル以上)
自分と相手の関係性においても細かく分類され、8つの距離感を使い分けすることで、相手の不快感を与えない距離感をつかむことができます。
今回取り上げている第一印象では、社会距離(初対面)で相手と接することを心がけましょう。
相手の心をつかむランチョンテクニックとは?
仲良くなりたい人とおいしい食事をともにすることで、『連合の原理※楽しく・おいしい食事を共有した経験があなたのイメージに重なり、楽しい人として認識してもらえます』。
その他、旅行のたびにおみやげを買ってきたり、おやつを差し入れする、笑顔が素敵な人、挨拶が上手な人、楽しい会話をしてくれる人なども同じ、連合の原理であなたの好印象につながります。
3、好感を与える話し方
初頭効果をうまく使う
第一印象が悪いとそれを挽回するには、何倍もの苦労をしなくてはならなくなります。
その理由として、人ははじめの言葉に大きな影響を受けるため、その後の言葉の解釈もはじめの言葉の使い方によって大きく変わってしまうことにあります。
それを『初頭効果』と呼んでいて、はじめにネガティブな言葉や情報を伝えてしまうと、印象が悪いままイメージが定着してしまう危険があるということです。
初対面などで自己紹介する場合には、最初は良いこと(高学歴・アクティブな趣味・優しくて温かい家族や友人の話など)をまとめて話し、ネガティブなこと(めんどくさがりで気分屋)を話す場合には、コンパクトに話をまとめて最後にサラッと話し、その後のフォローもしっかりと入れておくと良いでしょう。
例えば…
『私は難関の◯◯大学から大学院にてMBAを取得し、現在は大学在学時に起業して経営者となっています。建設的でかつ、配慮的な両親や友人に囲まれ、温かい人間関係の中でとても幸せを感じています。でも、めんどくさがりで気分屋なところもあるため、一人暮らしでの食生活が乱れ気味なことが、最近気になっていることです。』
このように、良い自己紹介をしっかり話すことで『初頭効果』もクリア。さらに、そのままだと完璧で取っ付きづらそうに感じるイメージを最後に自分のダメな部分も少し話すようにすることで、逆に親近感が湧いて好印象に繋がるでしょう。
人を批判する話は一切しない
他人を批判しているということは、その後に自分も批判される対象になる危険性があることを意味します。
相手にそのように受け取られてしまうことを避ける意味もありますが、そもそも人の批判や悪口を言っている時点であまりよい気分のするものではありません。
例外的に、相手が悪口を言っていて、自分もそれに同調することで関係性が一気に深まることもありますが、そのような相手を親密になったところで将来建設的な関係性を築けるとは思えません。
しかも、何かのキッカケで批判していたことが相手にバレる危険性もなくはありませんので、人の悪いところを見つけるのではなく、良い所を見つけて噂を流してあげましょう。
そうすることで、あなたにも辺報性の法則できっと良いことが起きることでしょう。
適度なおしゃべりは人気者の証
多くの人は、明るく楽しいおしゃべりをする人に好意を示します。
それは、男性・女性の性別にかかわらず共通していることで、会話内容80%の話に加わっているの印象は、温かい人で友好的、さらに知的で社交的な印象を与えます。
対して、会話内容20%の話にしか加わっていない人は、冷たくて、非友好的であり、知的ではなく、非社交的な印象を与えてしまいます。
このような結果からも、積極的に話をする必要があるのですが、男性に関しては少しだけ注意点があります。
会話内容の80%以上話す人は、女性は好意的に評価される反面、男性に関しては、思いやりがなくて無礼、配慮にかけるというイメージに変わってしまうという心理学での研究結果がでています。
特に話し下手な人が集まっている時には、このことを十分に注意しておく必要があります。
実は私自身もこれで何度も苦い経験をしていて、あまり話すことが得意ではない人のグループに加わった際に、気づいたら自分だけが喋り倒していて、気づいた時には後の祭り…なんてことにならないように注意が必要です。
これを避けるためには、しゃべるたびに『◯◯さんはどうなんですか?』といって、話を振り、周りの言葉を引き出すことも大切です。
相手の名前をすぐに聞き出し名前で呼びかける
名前で直接呼ぶことはとても効果が高いのでおすすめです。
名前で呼んでもらえると、あなたが相手のことをしっかりと覚えて、気遣っている印象を与えることができます。
相手の好きな話や興味のあることから会話をスタートする
このためには、事前に相手のことをリサーチしておくことができるとベストなのですが、それが無理な場合は、話し始めに相手の好きなことや趣味がどんなことなのか?から話をスタートさせると、どんなことを話すのか迷わなくて済みますし、会話が弾む可能性が高まります。
その時に、自分の頭をフル回転させて、相手を自分の共通点を見つけてください。
一つでも共通点を見つけることができたなら、その話をドンドン深掘りしていくだけで、相手はあなたとの会話を楽しそうにしてくれているはずです。
ポイントは一つの話題を深掘り
一つの話をトコトンまで深掘りすることで、あなたと会話をしているととても楽しいと思ってくれます。
深掘りして話を展開していく方法は、相手の話した(キーワードを拾い上げ、自分との共通点を見つけながら自己開示していく)ことに対して、さらに質問を繰り返していくことです。
これができるようになると、話をしてくれない人でない限り、どんな相手でもまず会話に困ることはなくなるでしょう。
- 相手の話と自分との共通点へ会話を繋げられないか
- 一つの話題をトコトンまで掘り下げることを意識
この2つを意識しながら話をすることで、相手はあなたとの会話を楽しいと感じてくれることでしょう。
相手の話に相づちやうなずきを入れる
なんと、相手の話に積極的に相づちやうなずきを入れて、前のめりで話を聞くだけで、相手の話が70%も増えることが研究結果で証明されています。
だれでも、自分の話を熱心に楽しそうに聞いてくれると嬉しいものです。
相づちやうなずきで相手が楽く話せるような配慮も必要です。
自分の話を印象付ける方法とは?
相手にこちらの話に注目してもらうため、話の途中で相手の目を一瞬じっと見つめて、少し沈黙の時間をもち、興味をこちらに引き付けることで、あなたの会話を前のめりで聞いてくれるようになるでしょう。
自分の話はチョットしたジョークやユーモアを挟んでいこう
お笑い芸人のような、腹を抱えて笑ってしまう様なトークまでは必要ありませんので、チョットした冗談をサラッと盛り込みながら会話ができるようになるのが理想です。
この時の注意点は、相手の人柄や興味・関心事に合わせてないようでなくてはいけないということです。
ここでも私の失敗談があります。
ユーモアと言うのはある属性では好評でも、違う属性でも通用するかと言ったらそうではありません。
わかりやすい例として、結婚式の余興がありますが、結婚式は様々な世代の人が集まるため、すべての属性に受けの良いユーモアを話すのは容易ではありません。
若者に大人気のお笑い芸人でも、お年寄りには全く通用しなかったりするのは、こういった理由があるからです。
冗談を言う前に、このジョークはこの属性に受け入れられるのかを考えてください。
無理だと思ったら、ジョークやユーモアはムリに話す必要はありません。
会話が続かない時の対策方法とは?
相手との会話が続かない時、ハイテンションで話をし続けて突破口を開こうとする人がいますが、それは逆効果です。
相手の気持に同調して、
- 相手が話をし出すのを待って、話が始まったら興味津々に聞く
- 話題をイロイロと変えてみて、相手との共通点を探る
- 話すスピードや飲み物や食べ物を飲むタイミングをあわせる
このように相手に思いやりを感じさせる同調を行うことで、相手はあなたとの会話に心地よさを感じて、楽しそうに話をしてくれるようになるでしょう。
特に相手が女性の場合は、相手の話にじっくりと向き合いながら話を聞くことで、あなたに対して好感を持ってもらうことができます。
好感を持って話を聞いてもらえる話し方とは?
相手に信頼感や落ち着き・説得力を感じさせる話し方と言うのは、どのようなものでしょうか?
さらに、相手に活動的で積極的・仕事が早いと思われるのはどんな話し方でしょう?
実は話すスピードによって、話し手のイメージがガラッと変わってしまいます。
毎分330文字程度で話すことで、相手に信頼感や落ち着き・説得力を感じさせることができます。
毎分500文字程度ならば、活動的で積極的・仕事が早いと感じさせられます。
両方のいいとこ取りをするなら、毎分350~400文字程度のスピードで話をすることで、相手に『積極的で力強さがあり、説得力も感じられる理想の話し方』ができると言われています。
今ここの文章『好感を持って話を聞いてもらえる話し方とは?』の小見出しの文章だけで、380文字程ありますので、1分間でこの文章を読み上げてみると良いでしょう。
好意を感じさせる話し方とは?
再会を約束する言葉『私たちで~しましょう』をいう会話を使うことで、あなたが相手とまた会いたいと好意を持っていることを感じさせることができます。
さらに、『ポイントは一つの話題で深掘り』で話したように自己開示を交えつつ話をすることで、相手はあなたが信頼してくれていることを感じ取ってくれるでしょう。
4、自分を魅力的に見せる方法
明るい人は得をする
多くの人は、明るく元気で楽しそうに話をする人に好感を持ちます。
明るい人に対して、社交的・行動的・陽気・劣等感が少ない・冗談を言う・感情豊か・決断が早い・統率力がある・友だちが多いといった好印象を抱きます。
中には、熱しやすく冷めやすいという、ネガティブなイメージもあわせ持っていますが、圧倒的にポジティブなイメージのほうが先行しています。
対して、暗い人にはマイナス印象がつきまといます。
非社交的で無口・融通が効かない・思慮深い・ためらいがち・実行力に乏しいといったネガティブなイメージが先行して、良い点の辛抱強く控えめといった好印象なポイントを打ち消してしまいます。
もしあなたが暗い人であるなら、普段から自分を明るい人としてプロデュースして行かなくてはいけません。
こういったことは慣れが全てなので、このページで紹介した『第一印象を良くする4つのポイント』を1つずつ実践することで、何度も繰り返しチャレンジしていきましょう。
配慮的な関わりを持つと好感度アップ
配慮的とは、相手から必要とされた時のみタイミングよく、適切なアドバイスやヒントを与えることです。
これを実践するためには、相手の働きかけや話に耳を傾ける必要があります。
相手が望んでいる時にだけ、手を差し伸べてあげることで、相手はあなたに本当の思いやりを感じ取ってくれることでしょう。
この時の注意点は、決して主導的に、相手に物事を押し付けたり、ムリに勧めたりしてはいけないということです。
これをやってしまうと、あなたの行動や発言に反発してくることもあるので、やってはいけないこととして覚えておきましょう。